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スティッキープライスCPI(Sticky-Price CPI)とフレキシブルCPI(Flexible-Price CPI)

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スティッキープライスCPI(Sticky-Price CPI)とフレキシブルCPI(Flexible-Price CPI)

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スティッキープライスCPI(Sticky-Price CPI)とフレキシブルCPI(Flexible-Price CPI)は、アトランタ連邦準備銀行が提供する、消費者物価指数(CPI)の二つの異なる側面を捉えるための指標です。これらの指標は、それぞれ異なる価格変動特性を持つ商品やサービスの価格を追跡し、経済のインフレ動向をより深く理解するために使用されます。


スティッキープライスCPI(Sticky-Price CPI)
  • 特徴: スティッキープライスCPIは、価格が比較的ゆっくりとしか変動しない商品やサービスの価格変動を測定します。価格が「粘着性がある(sticky)」という意味で、変動が少ない商品が含まれます。
  • 代表的な商品: 家賃、公共料金、保険料、医療サービスなどが該当します。これらの価格は、契約や政府の規制、供給側の固定費用などの影響を受けて、短期間での変更が難しいため、価格の変動が比較的少ないです。
  • インフレ分析: スティッキープライスCPIは、短期的な価格の変動要因を排除し、長期的なインフレ傾向を把握するのに役立ちます。このため、経済の基調となるインフレ圧力を評価するために利用されます。

フレキシブルCPI(Flexible-Price CPI)
  • 特徴: フレキシブルCPIは、価格が頻繁に変動する商品やサービスの価格変動を測定します。こちらは価格が「柔軟(flexible)」に変動することを反映した指数です。
  • 代表的な商品: 生鮮食品、エネルギー(ガソリンや電気代など)、一部の消費財(ファッション、テクノロジー製品など)が含まれます。これらの商品は、季節要因、需給バランス、天候変動などの影響を受けやすく、価格が短期間で大きく変動する傾向があります。
  • インフレ分析: フレキシブルCPIは、短期的な価格変動を反映するため、経済における即時的なインフレ圧力やデフレ圧力を理解するのに役立ちます。例えば、エネルギー価格の急上昇や、天候による農産物価格の変動を捉えることができます。

両者の比較
  • 安定性: スティッキープライスCPIは、フレキシブルCPIに比べて安定しており、長期的な価格動向をより反映しています。一方、フレキシブルCPIは、短期的な価格変動を反映するため、変動が大きいです。
  • 用途: スティッキープライスCPIは、経済の基調的なインフレ圧力を評価するために使われ、金融政策の決定に役立ちます。一方、フレキシブルCPIは、即時的な市場動向や一時的なショックを理解するために使われます。
  • 相互補完: これらの指標は相互に補完的であり、経済の異なる側面を理解するために併用されます。例えば、フレキシブルCPIが急上昇している一方でスティッキープライスCPIが安定している場合、一時的な要因がインフレに影響を与えている可能性があります。

最新の数値

スティッキープライスCPIは、7月に年率換算で3.2%上昇しました。(6月は2.6%増加)。前年同月比では、この指数は4.1%上昇しています。


食品とエネルギーを除いたコアベースでは、スティッキープライス指数は7月に年率換算で3.2%上昇し、12ヶ月間の変化率は4.2%でした。


一方で、価格が比較的頻繁に変動する商品を重み付けしたフレキシブルカットのCPIは、7月に年率換算で2.1%減少し、前年同月比では0.5%減少しました。

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