日本銀行、現状維持と見通し強化 - 植田総裁が語る経済と金融政策の未来
能登半島地震に対する哀悼と対応
記者会見は植田総裁からの冒頭発言で始まり、能登半島の地震被害に対する哀悼の意と被害者へのお見舞いが述べられました。日本銀行は金融機能の維持と資金決済の円滑な確保に努め、地震の影響に関する情報収集と分析を進めています。
金融政策の決定内容
今回の決定会合では、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)および資産買入れ方針について、現状維持が全員一致で決定されました。また、貸出増加を支援するための資金供給の貸付実行期限を1年間延長することも決まりました。
経済・物価の現状と見通し
日本の経済は緩やかに回復していると判断されました。今後、海外経済の回復ペース鈍化による影響を受けつつも、ペントアップ需要の顕在化などに支えられ、緩やかな回復が続く見通しです。物価については、エネルギー価格の影響で消費者物価の前年比は2%台前半を維持しており、来年度には2%を超える水準で推移すると予測されています。
金融政策運営の基本方針
日本銀行は、内外の経済や金融市場の不確実性が高い中で、機動的に対応しつつ、金融緩和を粘り強く継続する方針です。賃金の上昇を伴う形で、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現を目指しています。物価安定の目標の実現に向けて、必要な時点まで金融緩和を継続し、必要があれば追加的な緩和措置を講じることも躊躇しないと述べました。
質疑応答の要点
- 2%の物価目標の達成確度: 賃金と物価の好循環が強まりつつあり、2%の目標に向けて確度が少しずつ高まっていると述べました。
- マイナス金利の解除: マイナス金利の解除に際しては、経済・物価・金融情勢次第であるが、大きな不連続性を避けるような政策運営を目指すとしています。
- 地震の影響: 能登半島地震の経済的影響については、今後の情報収集と分析を続けると述べました。
展望レポートのポイント
今回の展望レポートでは、国内経済の緩やかな回復と基調的な物価上昇率の2%目標への接近が確認されました。しかし、原油価格の下落による影響などのリスク要因にも注意が必要としています。
おわりに
植田総裁は、今後も経済・物価情勢を注視しながら、柔軟かつ機動的に金融政策を運営していく方針を強調しました。日本銀行は、賃金の上昇を伴う形での物価安定目標の達成を目指し、引き続き金融市場の安定と経済の持続的成長を支えていく決意を表明しました。
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