9601松竹決算まとめ
目次
経営成績等の概況
このような状況下で、当企業グループは、より一層の効率化を図るとともに、本格的な事業再開に向けた環境整備に努めた。その結果、当連結会計年度は、売上高85,428百万円(前連結会計年度比9.2%増)、営業利益3,584百万円(前年同期は営業損失776百万円)、経常利益2,866百万円(前連結会計年度比110.8%増)となり、特別利益4,110百万円及び特別損失1,818百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は3,016百万円(前連結会計年度比45.0%減)となった。

映像関連事業
配給では邦画9作品、洋画4作品、アニメ9作品、シネマ歌舞伎、METライブビューイング、松竹ブロードウェイシネマなどの作品を公開した。当社配給作品の「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」と「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」(バンダイナムコフィルムワークスとの共同配給)が興行収入約40億円の大ヒットしたほか、「なのに、千輝くんが甘すぎる。」「こんにちは、母さん」が興行収入10億円を超えた。4月公開の「滝沢歌舞伎ZERO FINAL 映画館生中継!!」も大ヒットとなり、全国の映画館で売り切れとなる上映回が続出するなど収益に貢献した。興行は、㈱松竹マルチプレックスシアターズにて、各劇場で対抗館対策、注力作品での取り組みなどで成果を上げており、ヒット作の回数確保や、ファミリー層、シニア層等の幅広い動員獲得を目指した。上記の松竹作品に加え、興行収入100億円を超えた「THE FIRST SLAM DUNK」「名探偵コナン 黒鉄の魚影」「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」をはじめ、アニメ作品が大ヒットとなり、年間興行収入の回復に貢献した。
テレビ制作
地上波にて「必殺仕事人」「再雇用警察官5」「警視庁追跡捜査係」、連続ドラマ「やわ男とカタ子」、BS放送にて「悪女について」「無用案隠居修行7」「広重ぶるう」、連続ドラマ「OZU~小津が描いた物語~」「雲霧仁左衛門6」「めんつゆひとり飯」、CS放送にて「鬼平犯科帳 本所桜屋敷」等を制作した。番組販売は、新規放送枠としてBS松竹東急㈱に木下恵介アワー「3人家族」(全26話)他8作品を販売し、好調に推移した。
映像版権
DVD・ブルーレイディスク販売にて「ある男」「シャイロックの子供たち」「なのに、千輝くんが甘すぎる。」「交換ウソ日記」「こんにちは、母さん」「REVENGER」「好きな子がめがねを忘れた」などの新作やアニメーションを販売し、好調に推移した。配信に関しては、定額制動画配信において、Leminoにて「耳をすませば」、Netflixにて「なのに、千輝くんが甘すぎる。」の独占配信をスタートさせ、売上に大きく貢献した。都度課金型動画配信は、U-NEXTにて「ある男」「かがみの孤城」「シャイロックの子供たち」「ミンナノウタ」を先行配信することで売上に貢献した。
権利販売
小津安二郎監督生誕120周年の当期は、様々なチャンネルで小津監督作品が放送された。12月には「東京物語」等が3週にわたりNHK BSにて放送され、好評を博した。国際映画際では、北京、カンヌ、香港、ヴェネチア、東京などで小津作品が上映され、多くの観衆を魅了した。
CS放送
松竹ブロードキャスティング㈱において、ホームドラマチャンネルの開局25周年を記念した企画で、新規契約者獲得に努めた。また、複数のケーブルテレビ局の新規採用が決定するなど、有料放送市場におけるシェア拡大に努めた。この結果、売上高は45,810百万円(前年同期比11.0%増)、セグメント利益は2,561百万円(前年同期はセグメント損失1,371百万円)となった。
演劇事業
歌舞伎座においては、歌舞伎座新開場十周年の本年度であり、新開場記念月の「鳳凰祭四月大歌舞伎」をはじめ、5月「團菊祭」、8月「納涼歌舞伎」、9月「秀山祭」、11月「吉例顔見世」、2月「猿若祭」など、月ごとに彩を変え、話題となる公演を揃えた。当期は、歌舞伎座初となる超歌舞伎の上演など、古典から新作まで幅広い演目を提供し、お客様層の拡大につなげ、2月の「十八世中村勘三郎十三回忌追善公演」を大盛況で千穐楽を迎えることができた。また、6月から一幕見席の再開に加え、前売券を導入し利便性の改善を図った。増加傾向のインバウンド対応として、9月から英語音声ガイドを開始し、サービスの向上に努めている。
参考
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