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8227しまむら決算まとめ

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8227しまむら決算まとめ

目次


当連結会計年度の消費環境の概要


①当連結会計年度の国内消費環境は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限がなくなったことで、外食や旅行といったサービス分野の消費が伸びた一方で、賃上げを上回る食料品を中心とした物価高が家計を圧迫し、購買意欲を押し下げた。
お出掛け需要が復活しつつも、節約志向が強まり、衣料品の販売にとっては厳しい消費環境が続いた。

②天候については、上半期の3~5月中旬までは天気が周期的に変化した。5月下旬からは梅雨の影響で雨の日が多くなったが、梅雨明け後は全国的に気温が急上昇し、7月下旬以降は猛暑により夏物の販売が好調であった。
下半期は11月上旬まで残暑が残り、11月中旬には平年並みの低い気温となったものの、12月以降は平均気温が高く暖冬傾向となったことで、秋冬物の販売には厳しい気候であった。

当社グループの状況


このような状況下で、当社は2023年度のグループ統一テーマを“リ・ボーンFinalステージ「応用から完成へ」”とし、中期経営計画の最終年度として、商品力と販売力の強化や事業の基礎と基盤の強化に目途を付け、3年間で積み上げた実績と知見を次のステージへと繋げていき、お客様に“ワクワク”と“ウォンツ”をお届けするため“見て触れて、楽しく選んで、気軽にお買い物が出来る店”の高度化を推し進めた。


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セグメント別の状況


当連結会計年度の日本国内の業績は、売上高6,270億16百万円(前期比2.9%増)、営業利益549億53百万円(同3.3%増)、経常利益563億11百万円(同4.4%増)、当期純利益は413億89百万円(同9.4%増)となった。
当連結会計年度の連結業績は、売上高6,350億91百万円(前期比3.1%増)、営業利益553億8百万円(同3.8%増)、経常利益567億16百万円(同4.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は400億84百万円(同5.4%増)となった。
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しまむら事業

①主力のしまむら事業は、ブランド力の強化として自社開発ブランド(Private Brand、以下PB)とサプライヤーとの共同開発ブランド(Joint Development Brand、以下JB)を強化し、PBでは高価格帯の「CLOSSHI PREMIUM」を拡充し、暖か素材を使用した「FIBER HEAT」では、機能性を強化した「暖 SUPER PREMIUM」が好調であった。
JBでは、インフルエンサー企画の強化やラインロビングが、顧客層の拡大に効果的であった。

②広告宣伝では、創業70周年企画でのインフルエンサーや有名タレントとのコラボ企画が集客に繋がった。
デジタル販促の強化では、画像や動画編集の内製化を進め、作業スピードの向上と経費削減に繋がった。

③在庫管理では、サプライヤーと連携した生地契約により、売れ筋商品を短期サイクルで追加したことが売上の向上に効果的であった。
仕入原価上昇への対応では、貿易部の活用でASEAN生産の拡大を進めた。
当連結会計年度は12店舗を開設、15店舗を閉店し、店舗数は1,415店舗となった。
また売上高は前期比3.3%増の4,769億57百万円となった。

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アベイル事業

アベイル事業は、レディースとメンズ衣料でJBのトレンド提案を強化した。
韓国テイストの打ち出しや、平成ブランドとのコラボ企画を強化し、カップルコーデやインフルエンサー企画が好調であった。
キャラクター商品では、アベイルオリジナル商品の取扱いを拡大したことが集客に効果的であった。
個店対応では、店舗限定の品揃え、販促物の設置、チラシ配布により、対象店舗の売上が増加した。
当連結会計年度は3店舗を開設、4店舗を閉店し、店舗数は312店舗となった。
また売上高は前期比2.8%増の616億88百万円となった。

バースデイ事業

バースデイ事業は、PB・JBの品揃えを拡大した。PBではサステナブル商品の拡大を進めている「BIRTHDAY PLUS(バースデイ プラス)」や、トレンド商品を拡大したジュニア向けJBの「rabyraby(ラビラビ)」が売上を伸ばした。一方で、巣ごもり需要の反動などにより、衛生雑貨や玩具、インテリアの売上が昨年を下回った。販促では、デジタルカタログ掲載商品をオンラインストアで販売するスキームの活用が効果的であった。
当連結会計年度は14店舗を開設、3店舗を閉店し、店舗数は324店舗となった。
また売上高は前期比0.5%増の727億9百万円となった。

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シャンブル事業

シャンブル事業は、アウター衣料と服飾雑貨において、JBの品揃えを強化した。JBの「tsukuru&Lin.(ツクル アンド リン)」では、インフルエンサーとのコラボ企画やオケージョン商品の品揃えを拡大し、売上を伸ばした。
一方で、巣ごもり需要の反動などにより、インテリア雑貨やキッチン用品の売上が昨年を下回った。
販促では、新店・既存新店の認知度向上を目的としたチラシ配布を追加し、売上の底上げを図った。
当連結会計年度は8店舗を開設、3店舗を閉店し、店舗数は118店舗となった。
また売上高は前期比1.3%増の148億36百万円となった。

ディバロ事業

ディバロ事業は、外出需要やオケージョン需要が増加したことにより、レディース・メンズのスニーカーやサンダルの販売が好調であった。
服飾雑貨では新規サプライヤーの開拓が進み、バッグの売上が大きく伸長した。
アウター衣料では、下期から品揃えと価格の見直しを行い、ニットやジャケットの販売が好調であった。
販促では、内製化による機動的なSNS販促の実施や、気温に左右されにくいオリジナル企画の打ち出しを強化し、集客に繋げた。
当連結会計年度は1店舗を開設、1店舗を閉店し、店舗数は16店舗となった。
また売上高は前期比9.6%増の8億23百万円となった。
8)以上の結果、

思夢樂事業

台湾で事業展開する思夢樂事業は、総合衣料の専門店として、台湾のお客様にとって適時、適品、適量、適価な品揃えとするために事業の再構築を進めている。商品力の強化では、日本企画のPBやJB、台湾企画のPBの拡大により他社との差別化を図った結果、売上高に占めるPBとJBの割合は60.4%となった。また、キャラクターやスポーツ、ビジネスやアウトドアなどの品揃え拡大により売上を伸ばした。
販売力の強化では、SNSの活用によるデジタル販促の拡大や、インフルエンサーとのコラボ企画の強化が、新規顧客の獲得に効果的であった。
当連結会計年度は3店舗を開設、1店舗を閉店し、店舗数は42店舗となった。
また売上高は前期比10.6%増の16億85百万NT$(80億74百万円)となった。

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次期の見通し


小売業を取り巻く環境は、商品面では、社会経済活動の正常化が進み、外出や行楽需要の高まりからトレンドファッションへのニーズが増加している。
また、サプライチェーンにおける環境や人権問題への消費者意識の高まりから、サステナブルファッションの需要が高まっている。
価格面では、原材料価格の高騰や円安による商品原価の上昇が続き、販売価格の見直しが進んでいる。販売面では、実店舗とECを融合した販売手法の活用が拡大し、今後も更にオムニチャネル化が加速するものと思われる。

【長期経営計画2030】

当社グループでは、長期的かつ持続的な成長を実現するため、2030年2月期に向けた成長戦略として「長期経営計画2030」を策定している。
長期ビジョンのテーマを「日々の暮らしにワクワクを」とし、既存店業績の伸長と積極的な出店により商圏シェアを拡大し、地域のお客様に対して“ワクワク”する商品とサービスを提供することで、日々の暮らしに楽しさをお届けする。長期経営計画2030の骨子は以下のとおりである。

①成長戦略では、事業ポートフォリオの再構築、既存店売上の伸長、新規出店強化と既存店改装の推進、EC事業の拡大による売上向上と事業規模の拡大を図り、新たな海外展開も含めた新規事業の研究も進める。
②基礎と基盤の強化では、労働力不足への対応や人事労務制度の見直しを進め、教育体系も改善する。また、デジタル化の推進により業務効率を改善し、物流網の再構築も進める。
③資本政策では、店舗・商品センターや人的資本への成長投資を継続し、長期的・安定的な株主還元と適正な規模の内部留保を継続する。
④ESG活動では、プラスチックごみの削減や環境に配慮したサステナブル商品の開発を推進し、サプライチェーンの環境・人権配慮も強化する。また、社員のダイバーシティ推進とガバナンス体制の更なる強化も図る。

これらの戦略のもと、2030年2月期に国内売上高8,000億円以上、営業利益率10%、ROE8.0%程度の実現を目指す。

【中期経営計画2027】

当社グループでは、長期ビジョンの実現に向けて、2025年2月期から2027年2月期までの3ヵ年を対象とした新中期経営計画を策定した。
2027年2月期に当社グループで、売上高7,190億円、営業利益高660億円、営業利益率9.2%を目標とする。
基本方針は「ネクスト・チャレンジ(成長への挑戦)」とし、社員全員の創意工夫で様々な課題に挑戦し、当社グループの強みを更に強固なものとする。
また、既存店業績の伸長と積極的な出店により事業規模を拡大し、効率的な運営で収益性を高める。
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【2024年度経営計画】

2024年度のグループ統一テーマは“ネクスト・チャレンジ 1st「当たり前を改める」”とし、全ての「当たり前」という考え方を改めていく。
商品の作り方や売場の見せ方はもちろん、組織や人材育成、システムや土地開発など全ての部署で新たなチャレンジに取り組む。
 ①商品力の強化
ヒット商品の開発、自社ブランドと企画商品の進化によるブランド力向上を図る。また、ラインロビングの推進により新規顧客の獲得に繋げ、データ分析の高度化による商品開発力を強化する。
 ②販売力の強化
販促手法の多様化とデジタル化を推進し、地域特性に応じた商品・売場・販促を最適化する。また、接客技術の向上と買い易い売場作りにより販売力を強化する。
 ③基礎と基盤の強化
DXによる店舗オペレーションを再構築、および本社業務の合理化による労働生産性の向上を図る。店舗開発では、都市部への出店強化と既存店のリロケーションやファッションモール形式での出店を拡大し、収益性の高い新店開設を進める。商品調達では、生産国見直しと貿易部活用によるサプライチェーンの再構築を進める。
人材育成では、働きやすく、働きがいのある「いい会社」を実現するための人材戦略を推進する。ESG課題への取組みでは、本業を通じた持続可能なESG活動を推進する。また、EC事業と思夢樂事業の拡大を図るとともに、新規海外事業の研究に取組む。
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参考

2024年2月期決算短信
2024年2月期決算説明会資料



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