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8267イオン決算まとめ

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8267イオン決算まとめ

目次

連結業績の状況


当連結会計年度(2023 年3月1日~2024 年2月 29 日)の連結業績は、営業収益が9兆 5,535 億 57 百万円(対前期比 4.8%増)、営業利益が 2,508 億 22 百万円(対前期比 19.6%増)、
経常利益が 2,374 億 79 百万円(対前期比 16.6%増)といずれも過去最高を更新。
親会社株主に帰属する当期純利益についても 446 億 92 百万円(対前期比 109.0%増)と大幅に増益となった。

国内では、コロナ下において長く停滞していた社会経済活動の正常化が進み、雇用や所得環境の改善が見られる反面、円安などに起因する物価上昇により、
日常生活における節約志向と高付加価値商品・サービスへの積極的な支出へ、個人消費の二極化が顕在化した。

そのような環境下で、営業収益についてはすべてのセグメントが増収。
営業利益については、主力の小売事業を構成するGMS(総合スーパー)事業、SM(スーパーマーケット)事業、DS(ディスカウントストア)事業では、
プライベートブランド(以下、PB)のトップバリュを戦略の中心に据えた商品本位の改革や DX を活用した生産性向上のほか、収益構造改革を軸にしたコストコントロールに取り組み増益。

また、ディベロッパー事業、サービス・専門店事業では、社会経済活動の正常化で客足の回復が進んだことから、増益となった。

一方で、営業債権残高に合わせて貸倒引当金繰入額が増加した総合金融事業のほか、各国のマクロ経済環境悪化の影響が顕著となっている国際事業と、
コロナ対策関連商品の需要減の影響を受けたヘルス&ウエルネス事業が減益となった。
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グループ共通戦略


当社はイオングループ中期経営計画(2021~2025年度)で掲げた5つの変革の取り組みを進めている。

• デジタルシフトの加速と進化

実店舗においては、GMS事業のイオンリテール株式会社(以下、イオンリテール)では食品売場へのセルフレジの導入がほぼ完了。
適切な割引価格を提示して食品ロスを削減する「AI カカク」、需要を予測して商品発注を最適化する「AI オーダー」、勤務計画を自動起案する「AI ワーク」など、
AI を活用した売場と人時生産性の効率化が進む。
デリカから始まった食品売場での AI オーダーの対象が日配、加工食品へと広がった結果、店舗内の働き方改革と生産性改善に加え、
商品の店舗への配送の合理化が物流の 2024 年問題対策としても効果が期待できる。

オンラインチャネルでは、買物時間短縮の必要性が高く、実店舗への来店機会も限られる顧客に対し、オンラインスーパーのサービスを強化。
店舗から出荷する旧来のネットスーパーにおいて、2023 年度の食品の売上は2桁成長。

顧客フルフィルメントセンター(CFC)から出荷する新たなサービス「Green Beans(グリーンビーンズ)」では、多様な品揃えや生鮮食品の鮮度保証、
7時から 23 時まで1時間単位で商品受取を指定できる利便性に顧客の支持を得て、
2023 年7月のグランドオープン以来の会員数は2024 年3月末時点で約 16 万人まで伸長。

中期経営計画の後半においては、当社グループ内各社が個別に認識している顧客 ID の共通化を進め、
お客さまが使用されるイオンカードや「iAEON」「WAONPOINT」「AEON Pay」によってグループ内外に蓄積した販売データと購買履歴情報をもとに、
旧来のマスマーケティングから 1 to 1 マーケティングへ転換することで顧客体験価値の最大化を目指す。

• サプライチェーン発想での独自価値の創造

当社の PB は、1974 年のカップ麺「ジェーカップ」の発売からまもなく 50 年を迎える。

現在では、消費の動向が付加価値を伴うものと一定の品質を有する低価格品に二極化していることに応じ、
国内外約1万7千店舗のスケールとグループの有するインフラを活用しながら顧客の声を取り入れた PB の開発を進め、
トップバリュ(付加価値型)、トップバリュ ベストプライス(価格訴求型)、トップバリュ グリーンアイ(環境配慮型)の3ブランドを中心に展開しています。

トップバリュの3ブランドでは、まずは 2025 年に PB 全体で売上2兆円を達成すべく、「もっとワクワクする“次世代のプライベートブランド”」として、MZ 世代への販売を強化。
当社は、グループのスケールを活かした原材料や商品の調達、工場の稼働率向上や物流の効率化に取り組むことで、
インフレ下でも合理的なコスト削減を実現し、手ごろな価格帯の商品の供給にも注力していく。

また、当社グループは 2018 年 10 月に「スーパーマーケット改革」を公表以降、国内各地においてドミナント出店と収益力の強化を進めた。
2024 年3月1日に中国・四国・兵庫エリアでSM事業を展開する株式会社フジ(以下、フジ)が株式会社フジ・リテイリング及びマックスバリュ西日本株式会社を吸収合併し、
また、同日にDS事業を展開するイオンビッグ株式会社(以下、イオンビッグ)がマックスバリュ南東北株式会社を吸収合併し、
それぞれ新生フジ、新生イオンビッグとして経営資源の共有化によるさらなる成長を目指す。

• 新たな時代に対応したヘルス&ウエルネスの進化

医療格差、健康格差及び地域間格差の拡大が大きな社会問題となる中、ドラッグストア業界においては、出店余地の減少、薬価の引き下げ、価格競争の激化など、事業環境の厳しさが増している。

このような環境下において、2024 年2月、日本のみならずアセアンをはじめとするグローバル規模で地域生活者のより高次なヘルス&ウエルネスの実現を目的として、
当社と株式会社ツルハホールディングス、ウエルシアホールディングス株式会社(以下、ウエルシアホールディングス)は経営統合の協議を開始することに合意し、資本業務提携契約を締結。

調剤の強化と、食品や家庭雑貨まで商品カテゴリーの拡張が進んだ日本最大のドラッグストア連合体を創成し、競争力を強化。
アジアで最大規模の約3兆円の売上を実現するグローバル企業へと成長しながら、そこで働く従業員の限りない成長機会を創出することを目指す。


• イオン生活圏の創造

当社が掲げるイオン生活圏の創造は、中期経営計画で掲げている「5つの変革」が層をなすことで実現される。
各地域のニーズに応じてこれらの要素が重なり合い、複層的に地域を包むことで豊かな生活圏になることを目指している。

国内では、「関東における1兆円のSM構想」のもとで株式会社いなげや(以下、いなげや)を連結子会社とし、
首都圏エリアにおいては、Green Beans のサービスを浸透させるほか、都市型小型食品スーパーのまいばすけっとの出店を加速し、実店舗網を強化。

地方では、買物の利便性の低い地域において移動スーパーの取り組みに注力すると同時に、
地域の中核となっているイオンモールでは地方公共団体とも連携しながら、コミュニティ構築や環境保全活動を進めている。

さらに、アジアにおいては、個人の所得や信用力の違いに起因する利便性の差を埋める金融包摂のニーズが大きいため、
スマートフォンアプリをはじめとするデジタルチャネルを通じて、暮らしに溶け込んだ金融サービスを展開。

当社グループのデジタルシフトの加速と進化の過程で、国内外の顧客のライフスタイルやライフステージを可視化しながら、
より価値の高い商品・サービスを提案し、日々の生活を充実させる一翼を担う。

• アジアシフトの更なる加速

アセアンにおいて、当社は 1984 年にマハティール首相(当時)の要請を受けてマレーシアに初出店して以来、40 年にわたって事業基盤を構築。

現中期経営計画では、人口ボーナス期で消費性向の高いベトナムを最重要国として位置づけ、
小売業に対する国際協力銀行からの初の融資を受けて、南部エリア、北部エリアに続き、第3経済圏である中部エリアでのドミナント出店を加速する。

中国においては、中部地域では市場拡大が見込まれることから、2023 年 11 月の湖北省武漢市4号店「イオンモール武漢江夏」に加え、
2024 年に湖南省長沙市に1号店「イオンモール長沙星沙」を開業し、2025 年に2号店「イオンモール長沙湘江新区」を竣工する予定。

また、現中期経営計画の3つ目の柱であるヘルス&ウエルネスの進化について、公的保険制度が整っていないアジアでは、民間企業のサービスに大きな成長が期待される。

グループの既存のインフラも活用しながら、地域生活者のより高いレベルの「ヘルス&ウエルネス」の実現に向けて、積極的に事業を展開していく。

GMS事業


GMS事業は、営業収益3兆 3,893 億 50 百万円(対前期比 103.7%)、営業利益 283 億 59 百万円(前期より142 億 62 百万円の増益)となった。
イオンリテールは、「荒利益額の最大化」「ショッピングセンター収益改善」「デジタル売上拡大」を実行しながら、
様々なコスト上昇に耐えうる経営基盤を構築すべく「収益構造改革」を加速した結果、当連結会計年度は増収、すべての段階利益において増益及び損益改善となった。

人流が回復し、集う機会が増加したことで、寿司・オードブルなどのごちそうメニューや、帰省の手土産品などが好調に推移した一方で、
節約志向のベストプライスを中心とした PB も好調に推移し、消費の二極化が顕著に示された。

荒利益額の最大化に向けては、成長カテゴリーの売場拡大を進め、特に食品・H&BC(ヘルス&ビューティケア)が牽引。

衣料においても、商品そのもの、ビジュアルマーチャンダイジング(VMD) を活用した売場環境、オペレーションを包括的に刷新して接客を強化する「専門店モデル」により荒利益率が上昇しており、
SPA(製造小売業)のビジネスモデル確立でさらなる改善を進める。

住居余暇においては、秋口に時代や価値観の変化に合わせて PB の HOME COORDY を一新。

今後は、ナチュラルで明るいカラーや柄に商品のテイストを統一してお客さまのトータルコーディネート志向に応えられる商品を打ち出すとともに、
お買物しやすい売場へ変革しながら接客も強化して収益性を高める。

ショッピングセンターにおいても、集客策、空床の削減、テナントの一時利用の拡大などに注力したことでテナントからの家賃収入が改善。
デジタル売上拡大においては、ネットスーパーの規模拡大や、EC のイオンショップやイオンスタイルオンラインにて実店舗と連動した「イオン ブラックフライデー」「BUZZTTO SALE(バズっとセール)」などの施策強化に取り組み、過去最高の売上高を達成。

収益構造改革においては、店舗・本社の経費削減とデジタルを活用した生産性改善の両輪で推進。

イオン北海道株式会社では、経営ビジョンである「北海道のヘルス&ウエルネスを支える企業」の実現に向けて、
中期5カ年経営計画の3年目となる当事業年度を事業モデル確立の年度と位置づけて「商品と店舗の付加価値向上」「顧客化の推進」「収益構造の改革」「地域との連携」に取り組み、
売上高、営業利益、経常利益が過去最高となった。
文化芸術活動の場の提供や、ブラックフライデー、初売りセールが奏功して客数が増加し、
「イオン北海道 本気!のザンギ」など同社ならではのオリジナル商品約 760 品目の開発・リニューアルや、外出や行事の再開を捉えた衣料品、化粧品が増収に貢献。

トップバリュでは、イオングループ一丸となってのスケールメリットを活用した値下げ・増量商品が好調に推移し、売上高前期比は110.5%となった。

デジタルの活用については、AEON Pay 機能の充実やクーポン企画の強化により iAEONの会員数は当連結会計年度において前期末の約 1.7 倍に増加。
電子棚札の導入店舗は 35 店舗、セルフレジ導入店舗は 117 店舗となった。
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<SM事業・DS事業>


SM事業は、営業収益2兆 7,821 億 71 百万円(対前期比 105.3%)、営業利益 419 億 11 百万円(前期より190 億 67 百万円の増益)となった。

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社(以下、U.S.M.H)は当連結会計年度、商品と店舗変革による店舗収益の拡大、
OMO(Online Merges with Offline)による店舗外収益の拡大、保有する知的財産を活用したビジネス領域の拡大を柱とする、3カ年の中期経営計画に着手。

サプライチェーン改革においては、物流の 2024 年問題を見据えて自動化・省人省力化に寄与する設備やマテハン機器を導入した
共同物流センター「U.S.M.H 八千代グロサリーセンター」を 2023 年9月より本格稼働。

また化粧品会社であるオルビス株式会社と協働で SPA 方式を実践した「INNER COLOR DELI(インナーカラーデリ)」を
サステナブル商品のブランド「Green Growers(グリーングロワーズ)」のシリーズとして 2023 年10 月に販売を開始。

デジタル施策においては、IT サービスを中心に事業を展開するベトナムの VTIJoint Stock Company との 12 月の業務提携契約から
「ignica(イグニカ)」をはじめとする各種プロダクト・サービスの開発を加速し、顧客価値の向上と製品展開事業の拡大を目指す。

同社連結子会社の株式会社マルエツでは「オンラインデリバリー」の取り扱いを 44 店舗、「Uber Eats」を利用したサービスを 119店舗に拡大。

生産性向上においては、電子棚札は 107 店舗、需要予測型発注を全店で実施。

移動スーパーや EC をはじめとするノンストア事業においては、8県 81 店舗を拠点に 127 台の専用車両を展開、
「Wolt」などによるデリバリーサービスも 27 店舗で対応しながら、顧客の不便を解消する新しいサービスの提供に注力。

2024 年1月に発表した3カ年中期経営計画は「企業文化の確立」「既存事業の改革」「事業インフラの統合とシナジー創出」を3つの基本戦略とし、
統合した2社の強みを活用できるより良い企業風土のもと、商品政策の統合、マーケティングの高度化、インフラの最適化など、合併シナジーを確実に創出していく。
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DS事業は、営業収益 4,004 億 28 百万円(対前期比 104.4%)、営業利益 84 億 89 百万円(前期より 48 億6百万円の増益)となった。

多くの生活必需品の値上げが続き、家計の負担が増加していく中、EDLP(Everyday Low Price)戦略による定番商品やDS専用 PB では、
単位当たりの安さを追求したケース販売や、大容量商品の訴求により、客単価が上昇。
店舗作業の削減と省力化による投入人時の削減に取り組むなど、ローコストオペレーションを確立したDSフォーマットの構築にも力を入れるほか、
iAEONや AEON Pay の活用で、顧客の利便性向上にも取り組んだ。
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ヘルス&ウエルネス事業


ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益1兆 2,351 億 15 百万円(対前期比 107.4%)、営業利益 426 億円(前期より 22 億 27 百万円の減益)となった。

ウエルシアホールディングス及び同社連結子会社では、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症対策関連商品や検査キットに対する需要が減少した一方で、
各国の行動規制緩和を受けたインバウンド需要には回復が見られた。

物販部門においては総合感冒薬などの医薬品や、外出需要の増加を背景に化粧品の売上が増加し、
オリジナル PB「からだ Welcia」「くらし Welcia」開発やトップバリュも含めての拡販に注力。

調剤部門においては、調剤併設店舗数の増加(当連結会計年度末現在国内外計 2,159 店舗)や医療機関受診頻度の回復により、処方箋受付枚数が増加。
また WAON POINT サービスを全国の店舗に導入した結果、同社のポイント会員であるウエルシアメンバーが当連結会計年度末で 1,072 万人まで増加し、
ポイントカード・アプリの利用率向上を通じた集客施策強化を継続し。

「だれひとり取り残さないまち」の実現を目指して地域社会へ安心・安全を提供するインフラ機能を担う移動販売車「うえたん号」の稼働は当連結会計年度末で 17 台まで増加し、
2024 年1月の能登半島地震被災地域でも臨時運行した。
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総合金融事業


総合金融事業は、営業収益 4,835 億2百万円(対前期比 106.3%)、営業利益 512 億 31 百万円(前期より 78億 14 百万円の減益)となった。

イオンフィナンシャルサービス株式会社は国内及び海外において、グループ共通ポイントを活用した利便性の向上、モバイルサービスの拡充、新規事業の創出など、
中長期的な成長に向けた投資及び基盤整備を進めるとともに、デジタル金融包摂の進展に取り組んでいる。

国内では、イオン生活圏を金融サービスでつなぎ、ニーズに即した商品・サービスをシームレスに提供するため、
総合金融窓口としてスマホアプリ「イオンウォレット」のリニューアルや、AEON Pay の機能拡充及び利用可能場所の増加に取り組んだ。
株式会社イオン銀行の預金口座数は 858 万口座(期首差30 万口座増)、国内カード有効会員数は 3,149 万名(期首差 67 万名増)、カードショッピング取扱高は7兆814 億 82 百万円(前期比 108.5%)と堅調に推移。
株高を受けてニーズが高まる資産形成サービスでは、2024 年1月にマネックス証券株式会社との金融商品仲介業務における包括的業務提携に基づいて
投資信託口座を移管、システム管理及びバックオフィス業務も委託して、運用相談などの顧客サービスの充実に努める。

海外では、2023 年 10 月にベトナムで個人向けローンを提供する Post and Telecommunication FinanceCompany Limited(以下、PTF)を完全子会社とすることを決定するとともに、
マレーシアでは新たな銀行の業態であるデジタルバンク事業を営む AEON BANK(M) BERHAD の 2024 年度開業に向けた準備を進めるなど、
アジア各国で金融包摂の考えのもと資金ニーズへの対応や金融サービスへのアクセシビリティの向上に取り組んだ。

中華圏では、香港の現地法人 AEON CREDIT SERVICE (ASIA)CO., LTD.が銀聯国際(UnionPay International)のコード決済「銀聯 QR」をスマートフォンアプリへ搭載して
中国本土とシームレスな決済を可能とし、NFC(Near Field Communication)決済も導入して利便性を高め、新たなスコアリングモデルの導入などによる与信精度の向上に加え、
債権回収体制の強化に努めた結果、営業収益、営業利益ともに過去最高となった。

メコン圏では、EC 需要やスマホ決済ニーズの高まりに合わせ、現地法人の AEONTHANA SINSAP (THAILAND) PCL.のスマホアプリ上にて完全カードレスで発行するデジタルクレジット「NextGen」
及びコード決済「Scan to pay」サービスを新たに開始。

ベトナムでは、従来の自社割賦販売に加え、PTF の子会社化により個人ローンでも事業拡大を目指す。

マレーシアを中心としたマレー圏では、AEON CO.(M)BHD.(以下、イオンマレーシア)との共同利用施策や EV バイクを対象としたバイクローンの開始により、
カードショッピング、個品割賦とも取扱高が前期比で2桁の増加。

インドネシアでは、現地法人 PT.AEON CREDIT SERVICE INDONESIA が新たな BNPL(Buy Now Pay Later)の決済サービス「QRISPayLater」を 10 月に開始するなど、
各展開国におけるお客さまのニーズに対応した金融サービスの導入を強化している。
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ディベロッパー事業


ディベロッパー事業は、営業収益 4,683 億 42 百万円(対前期比 105.6%)、営業利益 473 億 48 百万円(前期より 21 億6百万円の増益)となった。

イオンモール株式会社は 、2023 年5月に策定した 2030 年ビジョン「イオンモールは、地域共創業へ。」に基づき「つながる」を創造し、広げ、深め、
持続可能な地域の未来につながる営みを共創する企業を目指している。

当連結会計年度は、成長施策として「海外成長マーケットにおける事業機会の発掘と事業化」「国内におけるビジネスモデル改革の推進」「既存事業の枠組みにとらわれない新たなビジネスモデルの創出」
を掲げ、「サステナブル視点での財務基盤の強化と組織体制の構築」を推進する3カ年の中期経営計画の初年度としての取り組みを進めた。

国内では、当連結会計年度に新規4モールをオープン、お客さまの「安らぎ」や「心地よさ」といった五感を満たす快適な空間の提供に注力するなど、
出店エリアの立地特性に応じてモールの新たな価値向上を図った。

また既存モールでは、各モールでの集客イベントや、アプリや WAON POINT 施策との連動など、マーケティングデータに基づく顧客の購買意欲を喚起する取り組みと合わせて、
モールのアセットを活用しながら時節の集客と売上の拡大を図り、当連結会計年度の既存モール専門店売上高は前期比 105.6%となった。

事業創出の観点では、コーポレート・ベンチャー・キャピタル「Life Design Fund」の設立や専門店テナント企業に対する共同配送サービスなどを実施。

ESG 経営の実現に向けては、従来の「イオンモール まちの発電所」の拡大に加え、お客さま参加型の EV 充電「V2AEON MALL」サービスや
カーポート型太陽光発電設備、営農型太陽光発電など脱炭素社会の実現に向けた新たな取り組みを進めている。

海外においては、最重点出店エリアであるベトナムでは、ホーチミン市を中心とした南部、ハノイ市を中心とした北部の両エリアに加えて、
ベトナム第3経済圏である中部エリアの周辺都市においてもドミナント出店を推進。

中国では、成長性の高い内陸部の湖北省・湖南省を重点出店エリアと位置づけ、11 月の武漢江夏(湖北省武漢市)に続き、
経済成長の著しい湖南省省都の長沙市に 2024 年、2025 年に大型モールの出店を計画。

インドネシアでは、2024 年3月にイオンモール デルタマス(ブカシ県)をオープン。

カンボジアでは、シハヌークビル港に隣接する経済特区に開設したシハヌークビル FTZ ロジスティクスセンターが、
通関及び倉庫業務すべてを自社運営する新たな物流事業の拠点として 2023 年7月より稼働。

モール単一フォーマットによる事業展開から、各国及び各地域が抱える課題を深掘りし、商業施設の枠組みにとらわれない新たな事業機会を探索していくことで、
地域ごとの特性に合わせた新たな価値創造モデルで事業展開を図っていく。
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サービス・専門店事業

サービス・専門店事業は、営業収益 7,974 億 91 百万円(対前期比 104.2%)、営業利益 172 億 84 百万円(前
期より 70 億 13 百万円の増益)となった。

イオンディライト株式会社の当連結会計年度は全7事業で増収となり、
中でも、省エネ関連工事や改装・修繕工事の受託を拡大した建設施工事業、並びに各種資材の受注を拡大した資材関連事業が2桁成長となった。

アカウント営業の強化に加え、これまでに様々な施設にサービスを提供してきた実績やノウハウが評価され、新たに多種多様な施設でサービスの提供を開始。

また、複数の施設を効率的に管理する「エリア管理」の展開、デジタルデバイスを活用した定型業務の自動化や使用電力の見える化など、
持続可能な事業モデル構築に向けた DX を推進。

加えて、中国やアセアンといった海外事業を拡大するなど、中期経営計画で掲げた「お客さま起点の経営」「DX の推進」「グループ経営」
の3つの基本方針に則った各種施策に取り組んだ。

株式会社イオンファンタジーは、当連結会計年度末の店舗数は国内 703 店舗、海外 464 店舗、合計 1,167店舗となった。

国内事業は好調が続き、戦略的小型店「TOYS SPOT PALO(カプセルトイ専門店)」と「PRIZESPOT PALO(プライズ専門店)」計 106 店舗の出店や
メダル部門における3年ぶりの新規機械投資により、当期の売上高は過去最高となった。
子どもと地球の未来を育む、遊んで学べるプレイグラウンド「ちきゅうのにわ」2店舗や、エンターテインメント型グランピング施設「ミューの森」も好評。

海外においても、マレーシア、フィリピンが引き続き牽引したアセアン事業において、売上高、営業利益ともに過去最高となった。

株式会社キャンドゥは、当社グループとの協業によるシナジーを最大限に発揮するため、「販路の拡大」「商品・ブランドの差別化」「企業価値の向上」を掲げ、
顧客満足の向上を図る取り組みを強化。
販路の拡大では、当社グループを中心に出店を加速させてきた当連結会計年度末における店舗数は、退店の影響で当初計画を下回る 1,258 店舗となった。
商品・ブランドの差別化では、お客さまから支持される商品を追求していく。
生活防衛意識にフィットした 100 円商品と、付加価値を提供する他価格帯商品の MD(マーチャンダイジング)を構築し、
「ライフスタイル提案型ショップ(New Can★Do)」を中心にオリジナルディズニーグッズなど趣味嗜好品の品揃えをさらに拡充して、
本部主導で店舗間の陳列の格差を生じさせないことに注力。
また、企業価値の向上では、利便性向上、コスト低減、先行投資をテーマに本部主導のオペレーション導入やセルフレジ導入により生産性の向上を図った。
また、什器・備品などを当社グループと共同仕入れすることにより出店コストや設備管理コストを抑制し、IT・デジタル化による収益性向上を図った。

株式会社コックスは、「ブランド力強化・MD 改革による荒利率の改善」「EC 運営改善・DtoC(Direct toConsumer)強化による EC 売上の拡大」「売り方改革・売場改革による店舗売上の回復」
を重点施策に掲げている。

当連結会計年度は正価商品販売ピーク時期に雑誌タイアップ販促企画を5回(3月・4月・5月・10月・11 月)実施した結果、既存店売上高が前期比 102.2%となった。
正価販売の徹底と丁寧な割引販売に加え、為替リスク対策を講じながら中国・アセアン地域から商品調達を拡大して原価低減に努めた結果、荒利益率が前期比で 4.9 ポイント改善。

ブランドのリニューアルについては、ikka のアパレル・服飾雑貨とLBCの生活雑貨が融合したファミリー向けファッション・ライフスタイルセレクトショップ「ikkaTHE BEAUTIFUL LIFE GREEN STORE」へのリニューアル完了店舗が 63 店舗となった。
さらに、店頭での会員獲得を強化した公式 EC「TOKYO DESIGN CHANNEL」ではインフルエンサーとのコラボ商品を拡販し、EC全体の売上高が前期比 106.2%へ伸長。
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株価について


現在のPERは64.11倍。
過去5年間の平均PERは122.55倍、中央値は77.45倍であるためモメンタムは弱気、株価は割安水準と言える。

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