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2433博報堂決算まとめ

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2433博報堂決算まとめ

目次

事業状況


国内広告市場は、力強さを欠く個人消費と経済の先行き不透明感が企業のマーケティング活動の重石となり、経済状況と比べ弱い動きが続いている。
このような環境下、当社グループは、2024 年3月期を最終年度とする中期経営計画に則り、積極的な事業展開を継続してきた。

その結果、売上高は1兆1,176 億94 百万円(前年同期比0.6%減収)、収益は6,463 億9 百万円(同1.0%減収)となった。

当第3四半期の売上高を種目別に見ると、
インターネットメディア及びテレビが前年同期を上回り、メディア合計で前年同期から増収となった。
一方、メディア以外では、マーケティング/プロモーションにおいて大型案件の反動減があり、前年同期を大きく下回った。

また、得意先業種別では、「官公庁・団体」及び「情報・通信」などで前年同期を下回った。
「交通・レジャー」、「流通・小売業」及び「外食・各種サービス」などでは前年同期を上回った。

売上総利益に関しても、2,781 億1百万円(同0.4%増加)と前年同期より12 億27 百万円の増加とった。
このうち国内事業については2,099 億18 百万円と0.5%の増加、海外事業についてはアジアにおいて堅調に推移。
加えて為替影響もあり、772 億89 百万円と6.8%の増加。

販売費及び一般管理費において、中期的な成長を見据えた戦略費の投下を継続したことに加え、活動費の戻りによる増加があったため、
営業利益は156 億29 百万円(同56.7%減少)、経常利益は169 億96 百万円(同57.3%減少)となった。

なお、当第3四半期連結会計期間(2023 年10 月1日~2023 年12 月31 日)における投資事業を除いた業績を見ると、
国内事業において、メディア取引が市況の厳しい中でも増収となったほか、イベント・SP 等の需要回復により、
マーケティング/プロモーションも前年比で大きく伸長するなどトップラインが好転。

また、海外事業においても、営業利益が前年を上回るなど底打ちの兆しが見られた結果、
売上高は4,192 億61 百万円(同4.2%増加)、営業利益は140 億79 百万円(同5.1%増加)と、増収増益になった。

これに特別利益15 億2百万円及び特別損失81 億43 百万円を加味した税金等調整前四半期純利益は103 億55百万円(同74.6%減少)となった。

また、法人税等の税金負担額138 億65 百万円及び非支配株主に帰属する四半期純利益17 億96 百万円を差し引いた結果、
親会社株主に帰属する四半期純損失は53 億6百万円(前年同期は201 億45 百万円の純利益)となった。

(配当金予想について)
期末の配当金予想については、従前予想から変更なく1株当たり16 円、年間合計で前年同額の1株当たり32 円とする。

中期経営計画について


2024年3月期を最終年度とするご覧の中期経営計画に則り、各種取り組みを進めてきた。

「提供サービスの変革」

マーケティング実践やデジタル、テクノロジーといった重点領域の体制や基盤の整備が進んだ。
また、「AaaS」の活用促進、生活者インターフェース市場での事例創出といった面でも、一定の進捗が見られた。

「海外事業」

事業規模の拡大とともに、必要なケイパビリティや体制の整備を行ってきた。
なお、北米エリアで一部損益の悪化がみられたが、すでにコスト削減施策を実行するなど、対策を進めている。

「外部連携」

ミライの事業室、UNIVERSITY of CREATIVITY、博報堂DYベンチャーズなど、外部との連携基盤を構築。

「横串機能」

グループの共通基盤となる2社を設立。博報堂テクノロジーズでは、AI技術などのテクノロジー活用の研究やツール開発を推進。

「サステナビリティ」

コーポレートアクションや従業員に対する啓蒙活動が進捗し、またクライアントサービスの具体事例も多数創出。

数値計画の進捗については、調整後売上総利益の伸長率など、「成長性」に関する指標は、当初計画を上回る進捗となる見通し。
領域ごとに掲げた成長目標、
インターネット領域の売上高「年率+15%」、
マーケティング実践領域の売上総利益「年率+10%」、
海外事業の同「年率+15%」
という成長目標については、概ね計画に近い水準でそれぞれ進捗。
一方、収益性に関する指標については、のれん償却前営業利益の目標を下方修正しており、その他の指標も計画を下回るなど、課題を残す状況。

新しい中期経営計画の骨子


目指すべき姿は、「従来の“広告会社グループ”の枠を超え、“クリエイティビティ・プラットフォーム”へと進化していく」というもの。
これを実現するために必要な、「生活者発想」「共創」「チーム」を大事にするカルチャーが存在し、
多様な人材」「グローバルネットワーク」「人間中心のテクノロジー活用」といった武器がある。
グローバルで様々な人と知恵を掛け合わせることで、生活者を起点としたクリエイティビティの発揮領域を、広告/マーケティング支援に留まらず、
イノベーション支援、事業成長支援、社会課題解決、新ビジネス創造といった領域にも拡張し、社会的価値と、経済価値を両立しながら、成長を続けていく。

新たな関係価値を生み出すことのできる事業領域として、下記6つを設定。
今後は、6つの事業が、それぞれが異なるビジネスモデル、目標を持ち、収益を拡大していくとともに、
各ビジネス領域が相互に連携しあって、さらに収益力を強化できる形へと、事業構造を変革していく。
この変革は、短期間で達成できるものとは考えておらず、まず、3年で素地を固め、その先の5年で形にしていくことを想定。
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「コンサルティングビジネス」
これまでは、博報堂が「ブランドデザイン」、IDEOが「プロダクトやサービスのデザイン」と、マーケティング領域のコンサルティングを中心に取り組んできた。
いま、あらゆる企業が大きな変革にさらされる中で、マーケティング課題に限らず、より上流の事業や経営といった、経営トップ層の課題にも対峙することが求められている。
この経営トップ層の課題に対して、プロフェッショナルサービスを提供する新会社を設立する予定。
詳細は、決まり次第、発表。


「マーケティングビジネス」
マーケティングビジネスの領域では、事業会社間の連携強化と収益モデルの多様化を進める。
ひとつは、成長を続けるデジタルマーケティング領域、
二つ目は、得意先ニーズの高まっている「販売からCRMまでの変革」を推進するコマースビジネス領域の強化、
さらに、それら全体を統合する機能を強化していく。
そして、これまで強化してきた機能やノウハウ、AI技術、生活者データを結集し、
グループ共通インフラであり、”生活者データ・ドリブン“フルファネルマーケティングの高度化、効率化を
実現するシステムである「統合マーケティングプラットフォーム」を実装していきます。
すでに開発に着手しており、2024年4月からベータ版の活用を開始していく予定。
また、デジタルマーケティング領域の強化施策の一つとして、アイレップとDACの2社を統合するとともに、
博報堂や博報堂DYメディアパートナーズのリソースやノウハウを集約し、同領域のグループの基盤となる「デジタルコア新会社」を2024年4月に設立
新会社では、
「デジタルフロントラインの最適化」、
「フロントとオペレーションの統合管理による“クオリティ、コスト、デリバリー”の圧倒的改善」
そして「プラットフォーマー対応機能の強化」
を取り組むべき大きな3つの変革と捉えている。
そしてグループ全体のインターネット領域の売上高を現状の4000億円から大きく伸長させ、業界NO.1のポジションを目指す。

「グローバルビジネス」
領域では、これまで、博報堂が中国アジアを中心とした「国内外一体運営」を、
kyuが「専門性と先進性の取り込み」を軸に、事業を拡大してきた。
今後は、それぞれの個別戦略を引き続き強化しながら、対象エリアの拡大を行うとともに、
既存のグローバルネットワークとは異なる、ユニークなモダンネットワークを構築し、
高い連携効果の見込まれる領域から、両者のコラボレーションを進めていく。
そして、最先端のマーケティング手法をいち早く探求し、変化するクライアントのニーズに合わせて最適化されたサービスをグローバルにおいても提供してく。

「テクノロジービジネス」
これまで、テクノロジー活用に必要な基盤やリソースの強化に注力し、一昨年は博報堂テクノロジーズを設立した。
今後は生活者体験を創造するテクノロジービジネスをひとつの収益獲得のエンジンとして成長させていく。
特に当社グループのナレッジや実績の活きる生活者起点のマーケティングSlやマーケティングSaaSの領域で事業を展開していく。

「コンテンツビジネス」
これまで同領域は、マーケティングサービスの一環としての取り組みを中心に進めてきた。
今後、コンテンツは生活者体験設計における重要性が増してくる領域であり、
かつテクノロジーの進化などにより構造変革が進むことで、大きなビジネスチャンスが広がる領域と捉えている。
IP投資や周辺ビジネスの開発などを含めた事業として育成していく。

「インキュベーションビジネス」
これまでミライの事業室や博報堂DYベンチャーズなど、外部連携基盤を構築するとともに、グループ内で様々な事業開発案件の創出に取り組んできた。
今後は、これら多様なインキュベーション機能をさらに強化し、将来の当社グループを支えるひとつの柱へと育成していきたいと考えている。



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参照

2024年3月期第3四半期決算短信
2024年3月期第3四半期決算説明会資料

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